ネタばれあります。
スターウォーズ EP8見終わったので感想を書く。
テーマについて
ストーリーはいろんな大人の事情の上に成り立っているものだと思うが、あえてそこには触れない。続編を作らないといけないとか誰々が活躍するとスポンサーが喜ぶとかそういうのはいったん置いておく。
今回のテーマは主に二つあると思う。
一つは「ヒーローにならなくていい」である。
ポー・ダロメンは最初の戦闘で降格させられた。
フィンとローズはトラッカーの停止に失敗した。
あのアル中野郎はヒーローになるよりお金を選んだ。
さらにフィンはキャノンの破壊に失敗した。
唯一英雄的な活躍をしたのは代理提督さんだけだった。
終始徹底して「戦う、倒す」よりも「逃げる、守る」が高く位置付けられた話であった。
もう一つのテーマは「血筋じゃない」だ。
スターウォーズ4~6は「血筋がすげえ奴が無双する」という話になりがちだった。
しかし、今回はそういうのがなかった。
レイがジェダイの島の鏡に親を見せてもらうシーンはとても緊張した。
あらゆる選択肢があったと思う。
オビワンの孫、アナキンに弟か妹がいた、パルパティーンの孫、クワイガンの孫、ウィンドゥの孫等々。
しかし、結局つまらない話だった。
もちろん自作以降で本当の親が明かされる可能性がある。
しかし、僕はこのままでいいと思う。
ローズもフィンも含めてただの名もなき労働階級生まれの子が自分の責任を果たすという話でいいと思う。
カメラワークについて
カメラワークが素晴らしかった。
僕は映画はほとんど見ないのでその手の芸術的要素についてはわからないが仕事でUI・UXを考えることが多いので「どう見せたら説明しづらいことが伝わるか」について悩むことが多い。
冒頭のレイア姫とカイロ・レンの目が合ってることがわかる構図やその後レイとカイロ・レンの目が合ってることがわかる構図、あるいはカイロ・レンとレイが一緒にスノークの護衛と戦ってるシーンでカイロ・レンには背後が見えてることがわかる構図などいろいろあった。
特に好きなのは、鏡の中で自分の分身と一緒に指を鳴らすシーンだ。
その中の、野球観戦中のウェーブのように後方の自分に合わせて指を鳴らすという行為。
ジェダイはめちゃくちゃ殺陣が強いが、その理由が「相手の動きが見えてるから」だそうだ。
これはなかなかジェダイにしかわからない感覚だと思う。
しかし、この動画ですごく納得がいった。
要するに戦ってる最中のジェダイには自分がどう動けばいいかがあんな感じで見えてるんだと思う。
後ろからくる自分に合わせてタイミングよく太鼓の達人感覚でライトセーバーを振るといい感じに敵が倒せるってことだろう。
この説明力はすごいと思った。
課題
僕がまだよく理解できてないこと。
まず、ストーリー上の不思議として
・ジェダイって結局なんだ
・あの島はどこだ
・あの本には何が書いてあるんだ
・レイは何者か
などがあげらえる。
それとは別に、いまいちメッセージがつかみきれないことがある。
一つはヨーダはEP8において、あるいはスターウォーズ全体において何の役割を果たしんだ、ということ。
これは2ちゃんのコピペなどにもあるが、ヨーダは実際結構ポンコツである。
「突き詰めればジェダイが崩壊したのは全部ヨーダが悪くね?」と言ってしまえるほど役立たずである。
しかし、重要なキャラクターとしていまだに登場人物に道を示唆する役割を担っている、ように見える。でも話の中身がなさ過ぎていてもいなくても変わらない気がする。
きっと僕が見落としているだけで、本当は何か大事な仕事をしてたんだろう。
二つ目はルークの死に方だ。
僕を含めて全員がカイロがルークを切る瞬間、ローブを残して消えることを期待したと思う。
しかし、実際はもっと地味な死に方だった。
なぜルークはそれを選んだのか。
もちろん、ライトセーバーをレイが持って行っちゃったとかフェリーの定期便が3日に1回だとかいろいろ理由はあったと思うが、よくわからない。
結局フィンがルークを、カイロがベイダーを、ポーがソロを越えられないのと同じように、ルークもオビ=ワンを超えれないということなのか。
最後にカイロ弱すぎないだろうか。
もちろん十分強いんだが、スノークの護衛に囲まれたシーンでも、「あ~アナキンならこのくらいの人数10秒で蹴散らしてたな~」って思う。
前作からもカイロ弱い説はさんざん指摘されていたと思うが、今作で確信した。彼が弱いという事は何かの伏線である。
意図である。
自作では強いカイロを見たい。
あと、ルークの島に湾にルークの戦闘機が沈んでるのを見たとき、ルークがレイに戦闘機をフォースで持ち上げろと命じるシーンを期待したが、なかったね。