金融とテクノロジーがフィンテックで行政とテクノロジーがゴブテックなら、政治とテクノロジーの融合はポリテックだそうだ。
政治をよくできそうな技術として、どうも政治家さんにはAIがモテモテのようだが、型システムの方が味がいい気がする。
例えばこの意見を見てどう思うか?
最近少年犯罪が増えているので、若者は全員自衛隊に入って根性を鍛えるべきだ。
そういう考え方の是非はともかく、前提知識として少年犯罪自体は減っている。だから、最初からこういう意見は取り合わなくていい。
また、これはどうだろうか?
これは必要条件と十分条件の区別がついていない人だ。
黙秘するということは犯行を認めるということですね?
これは三値論理と言う。三値論理的にこの主張は間違っている。
型システムを使えばこういう無駄な議論に時間を使わなくてよくなる。「わかりきった事実誤認に基づいた意見」「真偽や善悪以前に理屈が通っていない理屈」をあらかじめ排除できる。
どこか一箇所に型定義リポジトリを作りそこに自明の知識をプールしておけばいい。
「少年犯罪は減っている」「東京は出生率が低い」「女子高生が産婦人科に行く理由」「日大と日本体育大は別」など、間違えそうなことは事前に登録しておいてあげれば無知を晒して恥ずかしい思いをする人も減るだろう。
思い切って
- 政治家は国会で型チェックを通らない話をしてはならない
- 国民は政治家に型チェックを通らない要望をあげてはならない
というルールにしておけばいい。
逆に誰でも簡単に意見が言えてよくなるという効果もあると思う。
例えば、映画は犯罪率を低下させるのではないかと思っている人がいたとしよう。しかし、実際にそうなのか調査結果がどこにもなかったとする。こう意見を言ったとする。
映画には犯罪率を低下させる効果がある。経済発展のために映画を見るべきだ。
映画を見るべきだというのはその通りだと思うが、話の前後に繋がりがない。これでは相手にしてもらえない。
そこで
映画には犯罪率を低下させる効果がある。犯罪率の低下のために映画を見るべきだ。
とか
映画には犯罪率を低下させる効果がある。犯罪率の低下は経済発展に効果がある。経済発展のために映画を見るべきだ。
などであれば事実関係はともかく理屈は通っている。「じゃあ映画に本当に犯罪率低下の効果があるか、犯罪率低下に経済発展の効果があるか調べるから予算くれ」と話を繋げられる。このように事前に理屈を整頓する機会を与えられることによって、意見を言いやすくする効果があるのではないか。