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「技術寄りのエンジニアですか? ビジネス寄りのエンジニアですか?」という愚問

転職活動しているとよく聞かれるのですが、なんなのでしょうね。この質問。
この二つって対立軸なのでしょうか?

面接で聞かないでほしい

技術寄りと答えると、頭でっかちで会社のことを考えない人だと思われそうです。
かといってビジネス寄りと答えると技術力の低さの言い訳をしている人感が出てしまいます。

どう答えても都合が悪いので、そもそもこの質問をしないでほしいです。

そもそも対立軸でもない

普通に考えて、技術者として雇われているのだから、ビジネスに貢献しようと思ったら技術力はたくさん必要ですよね。

でも技術で貢献しようと思ったら会社のみんなの事とかお客さんの事とか考えますよね。

むしろ逆をこたえるパラドックス

仮にある種の軸があるとして、それを本人に聞くと逆のことを答える気がします。

例えば、とても技術力がある人なら、ビジネススキルを課題に感じることが多いと思います。なので、主観的には「自分はビジネス面を頑張っている」とか「大事なのはビジネス面だ」と感じるかもしれません。
反対に、ビジネススキルが高い人は技術力が大事だと感じることが多いので「自分は技術面を頑張っている」と答える気がします。

謙虚な人ほどこの傾向が強くなると思います。
このように、本人に聞く意味がない気がします。

僕の場合はどうか

僕はとても会社のみんなのことを考えて仕事をしています。
ところで、今のところ会社では僕が一番プログラミング力が高いようです。
なので、なるべく僕がプログラミングの仕事を増やし、それ以外のことを他の人にやってもらった方が全体最適です。
だからそうしています。
それはチームのみんなで話し合った結果そうなったのであって、特に誰も不満に思ってはないと思います。

この場合僕は技術寄りのエンジニアでしょうか。ビジネス寄りのエンジニアでしょうか。

嬉々として答える人は何なのか

このように、どう考えても答え辛い質問だと思います。
なのに、喜んでこの質問に答える人は何なのでしょうか。

もしかしたら今働いている会社の中での役割を答えているのかもしれません。

ただ単に、今の会社では技術力が高い方だから技術重視で働いているとか、このメンバーの中ではビジネススキルが自分のストロングポイントだからビジネス寄りの仕事を頑張っているとか、そういう意味かもしれません。

でも、それはあくまでとある会社の中での役回りであって、本人の性質には全く紐づかない話です。
転職の面接で話す意味はないですね。

もし仮に、本当に技術寄りのエンジニアというのがいるとしたら、語義的に僕が納得行くのはこういう人です。
それはつまり、『社内に自分より技術力が高い人がたくさんおり、逆にこの中ではビジネススキルが自分の長所だ、という状況でも技術重視の役割をやりたがる人』です。
これは本当に技術寄りのエンジニアといえるのではないでしょうか。

逆もしかりです。『社内では一番技術力が高く、逆にビジネススキルはあまり得意ではないのに、ビジネス寄りの仕事をやりたがる人』はビジネス寄りのエンジニアといえそうです。

どっちもあんまり一緒に働きたい気はしないですが……

提案

コンサルタントの就職試験みたいなケーススタディ問題と技術試験を別々に課して、
そのスコアをもとに選考フローを進めたほうがいいと思います。

まとめ

あんまり意味のある質問じゃないよねこれ。